「ケガレ」を考えるー排除と差別ー(武田達城・神戸 修 共著)

クリックで画像を表示
同朋運動ブックレット⑤

「伝統」「迷信」「因習」といった言葉の影に隠れているケガレ観念について、その発生と変遷から様ざまな諸説・概念を通して検証し、日本社会における因習を形成する要因となる差別の構造を明らかにした一冊。


目次

Ⅰ、「ケガレ」とは 
 1、ある意識調査 
 2、女性は土俵に上がれない? 
 3、誰が何のために創った伝統? 
 4、「ケガレ」 に関する諸説 
 5、スケープ・ゴート 
 6、目に見えないものを目に見えるものにする 
 7、「私は何者か」を私が決めることができない状態 
  8、「ケガレ」は「関係」を表す言葉 
  9、人権を無化するもの(文化相対主義) 
 10、権力は「ケガレ」を利用する 

Ⅱ、ケガレ観念の変遷 
 1、自然=神への畏怖 
 2、『古事記』に見られる「ケガレ」 
 3、「忌引き」の起源(「触穢」という発想) 
 4、「殺生禁断令」の思想(古代律令制) 
 5、クニがケガレ観念を押し付ける 
 6、ヒンドゥー教のケガレ観念の強化(古代末期) 
 7、「栴陀羅」という問題 
 8、血が「ケガレ」る? 
 9、畏怖から蔑視へ (中世) 
 10、民衆自治の破壊(織田/豊臣/徳川近世政権) 
 11、ケガレ観念の利用と新たなケガレ観念「清潔・衛生」の登場(近代) 

Ⅲ、宗祖に学ぶ 
 1、「殺すな」と「殺さなければならない(「アヒンサー」のこころ) 
 2、「いし、かはら、つぶてのごとくなるわれらなり」 
 3、「鬼神」からの解放 
  4、人間の尊厳と「物忌みせず」 
 5、学びから現場へ、そしてまた学びへ