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佐々木医師は、一貫して「差別の現実からの出発」に基づき、医療実践を積み重ねてきた僧侶である。本書では特に、優勢思想と感染症差別・「自己責任論」への批判が興味深い。「『感染症は個人をこえた社会の病気である』という視点が必要である」(三、「病(感染症」)。本書は、「老病死」はもはや差別的社会心理・価値観の介入を無視して語られるべきではないという、私たち僧侶への「警鐘の書」であるともいえよう。